セミナーSEMINAR

A会場

5月28日(日)

10:00~12:00

一般社団法人 福岡県歯科衛生士会 ]

セルフケア処方から始めるケア型診療の新しいスタイル

セルフケア処方から始めるケア型診療の新しいスタイル

高輪歯科 院長

加藤 正治 先生

要約:
いま、予防製品を薬と同じように適切に選択して用法とともに処方する「セルフケア処方」が注目を集めています。
しかし、薬を飲むだけの処方と違って「セルフケア処方」は、似たような症例に同じ処方をしても同じ成果が得られるとは限りません。
成功する処方は、考えるプロセスが大切です。考えた提案は、やがて患者さんの口腔内の変化や信頼となって現れることでしょう。
本講演では処方のすすめ方、製剤選びのポイント、続けるための秘訣など、よくある悩みや質問を解決しながらセルフケア処方の基本を解説いたします。

 いま、予防製品を薬と同じように適切に選択して用法とともに処方する「セルフケア処方」が注目を集めています。
 セルフケア処方は、医院にあらゆる好循環を生み出すケア型診療モデルの核となるコンセプトです。このセルフケア処方がもたらす最大の効果は何でしょうか?
 それは私たち自身が口腔内や患者個人のさまざまな情報を読み取り、「思考」するようになることです。薬を飲むだけの処方と違って「セルフケア処方」は、似たような症例に同じ処方をしても同じ成果が得られるとは限りません。考えるプロセスを経た提案はやがて患者さんの口腔内の変化や信頼となって現れることでしょう。
 そしてもうひとつ、いまセルフケア処方が注目されるのはなぜでしょうか?
 それはセルフケア処方を軸にするとケア型診療スタイルが作りやすくなるからです。もちろん治療ステージやSPTメインテナンス期に行うプロフェッショナルケアも処方に基づいて組み立てればプログラム作りは決して難しくありません。
 そこで、前半の基礎編ではケア製剤の基本知識を整理します。5つのターゲット(脱灰、歯質、歯石ステイン、細菌、炎症)に対する基本方針を確認したのち、それぞれのターゲットに有効な成分をとりあげます。ここではやりたいことから成分を選び出す成分処方、そしてその成分が含まれる製剤を選び出すアイテム処方の流れを解説いたします。自院のオリジナルの処方パターンを作り上げることができれば、院内でケア製剤に対する認識を共有することができます。
 後半の実践編では症例をもとに歯面ケア、歯周ケア、そして治療ステージのそれぞれの処方ポイントについて解説いたします。実際の処方のすすめ方、製剤選びのポイント、続けるための秘訣など、よくある悩みや質問を解決しながらプログラムの作り方を考えてみましょう。
 ぜひこれからの医院作りとスキルアップのためのヒントを見つけて下さい。