生涯研修SEMINAR

C会場

5月25日(土), 5月25日(土)

16:10-17:00 ( 50分)

日本アイ・エス・ケイ株式会社  ]

急拡大する在宅医療の需要と歯科訪問診療

急拡大する在宅医療の需要と歯科訪問診療

日本訪問歯科協会 広報担当理事

前田実男  先生

要約:
2015年時点で訪問診療を受けている患者は全国で約70万人。これが2025年には約100万人に達すると推計されています。歯科訪問診療では、以前は義歯の調整だけでもありがたがられていましたが、今では、専門的口腔ケアから摂食機能療法、さらに栄養管理までが求められるようになりました。また、これまで以上に治療が難しくなるケースも増えてくることが予想されます。このような中、訪問診療に取り組む歯科医療機関には、どのような知識やスキルが求められるようになるのか、歯科診療所が訪問診療を増やすには、具体的にどのようなことが必要になるのか、一般的な歯科医院が無理なく展開できる取り組み方をお話しいたします。

2018年の診療報酬改定の最大のポイントは、在宅医療の提供実績を要件とした報酬が設定されたことです。医科においては、200床未満の中小病院による在宅医療の提供や在宅患者の受け入れを促し、診療所に対しては在宅患者の受け入れ数の拡大とともに外来中心の診療所へ在宅医療への参入を促す改定になっています。この背景にあるのは、現在の医療提供体制では今後の在宅医療の需要増加に対応できないということです。

2015年時点で訪問診療を受けている患者は全国で約70万人。これが2025年には約100万人に達すると推計されています。すなわち30万人の増加、4割増となります。

これらを考慮すると、歯科の訪問診療にも大きな変化が求められるようになります。

以前は義歯の調整だけでもありがたがられていましたが、今では、専門的口腔ケアから摂食機能療法、さらに栄養管理までが求められるようになりました。また、在宅で療養されている独居の患者さんが増え、さらに、認知症の患者さんの増加、インプラントを装着されている患者さんの増加など、訪問診療では、これまで以上に治療が難しくなるケースも増えてくることが予想されます。

このような中、訪問診療に取り組む歯科医療機関には、どのような知識やスキルが求められるようになるのか、歯科診療所が訪問診療を増やすには、具体的にどのようなことが必要になるのか、一般的な歯科医院が無理なく展開できる取り組み方をお話しいたします。また、多職種連携を歯科医院から働きかけるための仕組み作りのヒントもご紹介します。